2025年12月10日
大腸癌が増えています。成人の死因の第一位は癌です。そして、その過半数が胃癌・大腸癌・肝臓癌といった「消化器の癌」で占められています。実に、年間9万人近くの日本人が胃癌・大腸癌で亡くなっているのです。胃癌はまだまだあなどれません。健診で異常を指摘されたら、積極的に胃カメラを受けましょう。
しかし、特に大腸癌の急増が目立ちます。特に、女性の死亡率の第一位は大腸癌となりました。
危険な落とし穴 ~ 早期の大腸癌に症状はない
「えっ、大腸癌だったんですか?症状は全然なかったのに・・・」。
これが、大腸内視鏡を受けて癌が見つかった方の第一声であることが多いです。そうです。大腸癌は、できてから症状が出るまでの時間が長い癌だと言えるのです。逆に、大腸癌が大きくなって、腸閉塞になるなど、症状が出てから見つかった人の大腸癌はすでに進行していることが多く、癌の転移率が高まっているのです。
従って、大腸癌は、「見つけようとして見つけないと早期には見つからない癌」であり、いかに症状がない段階で診断するかが重要となります。
また、早期に発見されれば、大腸癌はその後の経過(予後)がよく、お腹を切らなくとも、内視鏡で大腸癌が取りきれてしまう病気です。
どんな人が危ないか ~あなたは大丈夫?~
では、どういう人が危ないのか。
1,大腸癌は50歳から急に増えるので要注意
2,血縁に大腸癌の方がいる人は注意(家族集積、遺伝因子)
3,野菜を食べない運動不足の人、肥満の人は注意
4,高脂肪食、赤身の肉やアルコールを取りすぎる人、タバコが好きな人
などは特に要注意と言われています。
大腸癌にならないポイント
当院に通院している患者さんは、必ず年一回の便潜血検査を受けます。これは、健診でも広く行われています。大腸癌は充血していますので、目に見えない血液を便がひっかけてくるわけです。ですから、「目で見て便に血が混ざってはいないから大丈夫、症状がないから大丈夫」とは思わないでください。
この便潜血検査を受けることにより、大腸癌の死亡率が、33%減少することが統計上分かっています。
便鮮血反応が1回でも陽性なら大腸内視鏡をすべきです。
大腸内視鏡(大腸カメラ)の進歩

私は軸保持短縮法という苦痛の少ない新しい挿入法で検査を行っています。検査を受けた人は、前回の検査よりも楽だった、思ったより大腸の検査は大変でなかった、とおっしゃいます。
大腸の内視鏡挿入法は、進化しているのです。
消化器内科医全体の挿入技術や内視鏡機器は進歩していますので、一昔前よりもずっと検査の苦痛は軽減しています。恐れることなく、検査を受けてみて下さい。
また、これは意外に大切なことですが、検査を受けるときには、内視鏡だけが入るような「穴あきトランクス」のようなものを着ますから、恥ずかしくはありません。
また検査医や看護師は、毎日大勢の人の検査をして慣れているのでなんとも思いません。
「他人に下半身を見られるのが恥ずかしい」と思わなくて大丈夫です。恥ずかしいからと検査を避けないでいただきたいと思います。
大腸ポリープをとることで大腸癌を予防しよう
ほとんどの大腸癌はポリープから生じてきます(少数、ポリープの経路をとらないものもあります)。
従って、大腸のポリープを定期的に取ってポリープのない腸(コロン)、すなわち、クリーン・コロンにしておくことで大腸癌になる率を76~90%下げることができる、と統計上分かっています。
このような医療を通じて、私たちは大腸癌をこの地域から減らそうと頑張っている
のです。
予防・早期発見に努め、大腸癌で苦しまれる方を1人でも減らしていきましょう。



